はじめて瀬戸内の島々に訪れたのは、2013年の年末年始。ベネッセアートサイトの直島・犬島・豊島と、女木島に行った。それから数え切れないくらい何度も訪れているけれど、瀬戸内国際芸術祭の会期中にだけは行ったことがなかった。むしろ避けていた。人が多すぎて船に乗れない、という話を聞いたから。アートも見たいけれど島の雰囲気こそ楽しみたかったので「あえて芸術祭のときに行かなくてもいいか」とずっと思っていた。でも今の写真のプロジェクトを進めるにあたっては、芸術祭のときの島々も知っておく必要がある。だから今年は平日に休みを取って、瀬戸内を訪れることにした。私の遅い夏休み。
10月9日(水) AM7:45羽田発 AM9:05高松着。去年はなぜか電車の時間を間違えてこの飛行機を乗り過ごしてしまったけれど、今年は大丈夫だった。リムジンバスに乗って、予定通りの9時45分にはことでん瓦町駅着。ダイワロイネットホテルに荷物を預ける。港からはちょっと遠いけれど、高松の中心街にあるのでとても便利。けっこう利用している。Google mapを見ていたら、近くにうどんのさか枝があると分かったので、朝ごはんを食べに行った。かけうどんと、かぼちゃとレンコンの天ぷら。おいしい。ほんとにおいしい。そういえば、ここ最近は島に直行していたから、本場の讃岐うどんは久しぶりかも。朝ごはんの後フェリーの時間までは、行ってみたかった喫茶城の眼でくつろぐ。お店のおばあちゃんがとても可愛かった。店内に誰もいなかったので、写真撮影禁止と知らずに数枚写真を撮ってしまう。反省。ごめんなさい。
12時高松港発のフェリーめおん号に乗って、まずは男木島へ。平日なのに結構な人が乗っていてびっくり。そしてそのほとんどが外国人でさらにびっくり。男木島は、2015年の年明けに香川県主催の女子旅モニターツアーで連れて行ってもらった以来に訪れる。そのときは港にいる島のおばあちゃんたちがすごくおしゃれで生き生きしていたことに驚いた。12時40分、男木島着。アート作品をめぐるのは今回がはじめて。港で芸術祭のパスポートを買う。4,000円。果たして元は取れるのか?!と思って買ったけれど、結果的に全然元は取れた。というか、パスポートがあると興味のない作品もとりあえず見てみようという気になって、それが思ってもいなかった良い出会いになることも分かったので、金銭的な面以外でも芸術祭はパスポートがおすすめです。
あっという間に2時間が経って、15時男木島発のフェリーで女木島へ戻る。フェリーの隣に座った年配の女性が、気さくに外国人の方に話しかけていて、しかもその英語の発音がとても綺麗で、一見普通の主婦っぽい(帰国子女とか通訳の仕事をしてそうな雰囲気では全くなかった)のにすごいなあと感心していたら、なんと女学院生だった!神戸女学院の中・高・大出身。しかも、高校のときに1年間アメリカ留学していたらしい。いろいろと納得。女学院で英語を学ばせてもらえてよかったなと今さらながら思った。世間は狭い。
15時20分、女木島着。鬼の大洞窟は前回見てたから、港近辺の作品を中心にまわる。木村崇人さんの『カモメの駐車場』はいつも見てるけど今回も癒された。「島の中の小さなお店」プロジェクトのひとつ、リョン・カータイ(Leong Ka Tai)さんの『ウエディング・ショップ』という写真作品が興味深かった。こういうふうに写真家と島の人々が交流できるのはいいな。大竹伸朗さんの『女根/めこん』は圧巻だった。好みではないけれど。パスポートでなかったら、わざわざ入らなかったかもしれない。女木島の2時間もあっという間。17時20分女木島発のフェリーで高松へ。17時40分着。
今晩の食事は、しるの店おふくろと決めている。ずっと行ってみたかったところ。ここに行くために高松泊にしたと言っても良いくらい。高松港から歩いて約20分、今日の宿のほど近く。ぶた汁と迷ったけれど、鯛あら汁に決定。どんぶりいっぱいのお味噌汁と白いごはん。幸せです。お酒を飲まなくても大丈夫なのが嬉しい。すごく混んでいたし長居するような店でもないので、食べ終わったら半空へ。ここもタイミングがなかなか合わないので、久しぶりにきた。ティーポッドでの紅茶はすごく美味しかったけれど、今思えばデザートも頂くべきだった。残念。20時からはお願いしていた予約制本屋なタ書へ。古本を眺めてたら、あっという間に1時間が過ぎてしまった。いくつかお目当の本も見つけて、藤井さんからは島のまわり方のコツを教えてもらう。明日は7時10分までには港に行かなければ。